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名古屋市にできた理想?の道路訪問記

名古屋市北東の守山区のさらに外れにある吉根地区。いわゆる郊外の新興住宅地だが、ここに「都市計画道路志段見線」という、自転車歩行者専用道路がある事を最近知った。

現在は、吉根地区から北東の志段見地区までの約3kmが完成しているが、さらに北東の東谷山の麓までの全長5kmが予定されている。

 

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西端の道路の始まり。ガードレールで完全に隔離されている。道幅がかなり広い。幹線道路の一車線分より広そうだ。そしてここにはクルマは来ない。

 

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吉根地区は典型的な郊外の住宅地である。その住宅地の至る所に、一般道路との接続口がある。自転車歩行者道なので当然バイクは禁止だが、この柵ではルールを守らぬ者を遮ることは出来そうに無い。

 

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少し進むと、センターラインが引かれ、自転車と歩行者を分ける表示があった。

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気になったのが、この道路への住宅からのアクセス。戸建て住宅では裏側に門がある家もあるがそれは少数派である。家からは直接この道路に出ることが出来る家は少ない。特に集合住宅ではゼロだった。普通の道路の感覚からすればおかしな感じがする。隔離された空間という印象を強く受けた。まるで、自動車で言うなれば高速道路のようである。

 

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ここはメインの通りでは無く、少しそれた場所であるが、何とも贅沢な幅の取り方である。

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守山イオンへも直通。左写真の左奥に駐車場があり、クルマ利用者は皆ここを通って店内へ向かう。この歩行者と自転車のためにあつらえたと言う感じの入り口がうれしい。

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猫ものんびり。車にひかれる心配は100%無い。

 

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北側より守山イオンを望む。一番の幹線道路、国道155号、通称竜泉寺街道へのアクセスも考えられている。

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各一般道への接続。まさにジャンクション。高速道路のようだ。

前述の、集合住宅からのアクセスが考えられていないことも合わせると、本当に一本の隔離された高速道路のようである。

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下志段味小学校付近。学校の裏門がこの道路とつながっており、子供たちはクルマを気にすることなく下校出来る。ちょうど下校時間だったが、子供たちはみんな、無邪気さ全開で帰って行った。この、子供たちがクルマに脅かされずに帰るという光景、ちょっと感動的ですらある。

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「人道橋」。もちろん人が通る道だから人道橋と名付けたのだろうが、車の脅威から守られていると言うことを考えると、「人道」という部分が浮き出て見えた。この道路自体が「人道的」なのである。

 

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所々にかかる跨道橋、そして橋の柵やご丁寧に遮音板のようなものまである。なかなか立派な作りである。この遮音板は横の家に対するものだろうか?特に騒音を発するものは無いように思われるが・・・

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北東の終わりの部分。この先は東谷山の麓までの約2kmが延伸される予定とのこと。

民家が建っているが、本当に伸ばせるのだろうか。何事も予定は未定である。

 

それにしても、歩いていて非常に気持ちいい道路である。車を気にしないで済むと言うことは本当にリラックスできる。栄のホコ天も同じような気分になったのを思い出す。ここは典型的な新興住宅地であって、もっと言えば田舎である。しかし、栄、金山、名古屋など、名古屋市中心部ほどこういった道路が必要なのでは無いだろうか。複数車線の幹線道路が南北に走るように、自動車を排除した道路が幹のように走れば、そこを通るときだけでも、安全・快適に歩き、自転車に乗れるのでは無いだろうか。すべての道路で車からの被害を防ごうというのは、自動運転が完全に実現するまでは無理がある気がする。まるで高速道路のようだと述べたが、このような完全隔離道路が幹のように整備されれば、少なくともそこを通るときだけは、安全が確保される。ただし、このような道路を市の中心部で整備しようとするならば、車道の削減、若しくは車両通行止めなど、自動車の利便性の後退は避けられない。トヨタのお膝元名古屋ではなかなか難しいだろう。外れとは言え、名古屋市内でこの道路を実現しただけでも評価すべきだとは思うが、市中心部でこの道路が実現できるならば、名古屋走りなどに代表される車一辺倒のイメージを覆すことが出来るかもしれない。

 

良いことばかり書いたが、デメリットと思われる点もあった。

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竜泉寺街道の跨道橋を渡った先だが、勾配がかなりきつい。自転車はかなりスピードを出すのでは無いだろうか。歩行者混在道路なので、階段にすべきだ。

 

また、通りがかりの女性の方に話しを伺ってみた。

1 自転車はあまり通らない。田舎なので、大人はみな車に乗る。近隣に高校が無いから自転車に乗る学生もいない。

(筆者も、1時間ほど歩いてすれ違った自転車はたった3台。)

2 以前、子供が自転車に乗った男に邪魔だと罵られたことがある。

3 不審者がいたことがある。

事情通の方だったが、ひょっとすると地域で何らかの活動をされているのかもしれない。小学校で懇談会?があると言って先を急がれた。

 

1について、もし仮に、自転車利用者が増えたときのことを想像してみた。歩行者と自転車を分けるのはセンターラインだけ。2の件も合わせると、やはり真ん中に柵かポールを立てるというのは必要かもしれない。

そもそも、この道路は標識どおりに読めば、いわゆる自歩道であって、扱いは歩道になると思われる。つまり自転車は、歩行者優先徐行と言うことになる。自転車の目線で見れば、決して利便性の高い道路とは言えない。自転車の高速走行を許すのであれば、柵等で物理的に分離することは必須であろう。

2の件、どこにでも困った輩はいるものだ。自転車の教育機会や免許制について議論を深めることが急がれる。

 

3の不審者について

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このように、一般道の下をくぐる場所が何カ所かあった。この道路、大人が車依存なので、人通りが少ないのだ。となるとこういった場所では必然的に人の目が届かなくなり、どうしても悪さをしようというものが出てくるのだろう。

 

 

写真を並べて自由に書いてみたが、百聞は一見にしかず。ぜひ現地を訪れていただきたい。車偏重社会に疑問を持つ方には大変お勧めできる。そういう方ほど、この道路を歩いたときの爽やかさや素晴らしさを感じることができるだろう。